想い出

境港で生まれ育った写真家、植田正治さんの写真集、巻末のバイオグラフィー。 「佐太神社の祭の帰りに立ち寄った松江の本屋で、父親に買ってもらった洋書の写真集をきっかけに、写真に興味を持ちはじめる、、、」のくだりに、ピンときた。 その本屋とは間違…

あれは確か大学3年の頃のことだったと思う。 作詞作曲部の先輩と、今はなき新宿の日清パワーステーションへボ・ガンボスのライブへ向かう道すがら、なにかのきっかけで同じ会場へ向かうふたりの女の子に話しかけた。 その子たちは東京女子医大の学生で、早稲…

浮かれた泡の時代。1990年あたま。 次から次へと発売されるシングルCDの中で、100万枚を売り上げるものはめずらしいことではなく、入学式の池袋キャンバスの校門前では、まるでポケットティッシュを配るように、広告のプリントされた500円分の図書カードがば…

今日は地下鉄に乗って行こう。 青山一丁目で大江戸線に乗り換えようと、息子の手をとりホーム中ほどの階段を下へ下へ。 一駅で着いた六本木駅。でもここからが一仕事。 大江戸線の深さは半端じゃない。まるで登山道の標識のように、地上から何メートルと書か…

(松江しんじ湖温泉 http://www.matsue-yado.com/spa/)

ポルトガル旅行へ出発する奥さんを、新宿駅まで車で見送る。 まだ小さかった夕月を連れて、一度奥さんを成田まで見送ったことがある。 帰りの車の後部座席で、クッションに顔をうずめてしくしく泣いてたあの日の夕月。 かわいそうで、たまらなかった。 寂し…

現代の女子高生が、学園祭のステージでブルーハーツの歌を演奏する。 言ってしまえば、それだけの映画。 けれどそこには、紛れも無く無垢で純粋な、十代の風景が染み込んでる。 かつて男子高生だった僕は、学園祭のステージに立つべく、ともだちとバンドを組…

キリンビールのTVCMにYMOが登場し、バックには新録のライディーンが流れる。 でも僕はまだ、そのCMを一度もテレビで見ていない。 ネットで知って、ネットで見て、ネットで買って。 ミュージックマシーンというサイトでその噂を知り、キリンのサイトでCM映像…

次大夫堀公園民家園は、成城と二子玉川のちょうど中間あたりにあり、江戸後期から明治の農村風景が再現されてる。 春には桜の樹の下でのんびりお花見、夏には水田脇の用水路にザリガニが現れる。 藁葺き屋根の古民家の縁側、その奥でパチパチ音をたてる炭火…

ウルトラマンと仮面ライダーブームの帆風に、またひとつ新たなヒーローが加わった。 その名はロボコン。 大阪のジイジから届いた、トイザらスのソフビ人形コーナーに並んでたロボコン。 数年前にフリーマーケットで手に入れたロボコンのビデオを再生すれば、…

スケートリンクに足を踏み入れるなんて、何年ぶりだろう。 最後に滑ったのは、たぶん高校生の頃だから、なんと!約20年ぶり。 小学生の頃、ローラースケートブームで鍛えた足さばきは、今だ健在か? 確かめるべく夕月とやって来た、神宮外苑のアイススケート…

冨田ラボこと冨田恵一さんが作った曲のデモトラックをダウンロードして、歌詞をつけて歌を録音してmp3で送り返す、その名もトラック・バック・オーディション。 優秀者は冨田さん協力のもとレコーディング、配信により発表されるという。 帆風と遊びつつ…

新宿住友ビルの朝日カルチャーセンター、今夜の音楽講座は「ジュークボックスに住む詩人」、講師は友部正人さん。 高田渡、早川義夫、遠藤賢司、シバ、三上寛、西岡共蔵からウッディ・ガスリー、リッキー・リー・ジョーンズ、サン・ヴォルト、ダー・ウィリア…

今年も残すところ2週間ちょっと。 月日が矢のように過ぎていく。 30歳あたりを境に、年々体感速度が増してるようだ。 2000年なんて、ついこの前だ。 1999年生まれの娘が、もう7歳。 来年は亥年、ぼくと奥さんの干支がまわってくる。 生きてきた…

何十年ぶりに見る、この画面。 小さい頃はしょっちゅう見たもんだ。 無音の静止画チャンネルってのもいいな。

2006年もあと一月ちょっと、2010年もそう遠くはないことに気付いたり、ふと90年代に思いを馳せたり。 つい昨日のことのように思える1996年から、すでに10年の月日が流れてる。 東京へやって来たひとりぼっちの田舎もんは、そのまま東京に居座り続け、いつし…

1990年、僕が高校3年の時に発売された決定的な2枚のCD。 1枚は真島昌利の「夏のぬけがら」、そしてもう1枚は仲井戸麗市の「絵」だ。 両方とも松江のスイングレコードで買ったんだ。 大学進学でひとり東京へやって来て、武蔵野や新宿の街を歩くたび、頭の中…

もう10年近くも大阪へ行き来してるのに、一度も足を運んだことがなかった万博公園。 こんなに広いとは思わなかった。 何箇所にも点在してる駐車場。どこへ停めればいいのか迷ってるうち、ぐるりと一周してしまった。 公園の真ん中にどーんとそびえ立つ、太…

じゅんちゃん、ワッキー、もりわき、もりちゃん、もりもり、ゆづパパ。 自分で決めたわけでもないのに、自然とついてくる呼び名たち。 節目節目で変わるから、はじめはどれもこそばゆい。 ママ友の呼び名も様々。 はじめは遠慮がちに「だれだれちゃんのママ…

終戦真際の昭和天皇を題材にした映画「太陽 The sun」。 スクリーンに映し出される空襲下の焼け野原の東京と、イッセー尾形演じる昭和天皇の姿。 街も人も孤独に押しつぶされそうな時、天皇も決して例外ではなかった。 ずいぶん遠いところに今の僕たちはいる…

去年暮れの九段会館、細野晴臣率いる東京シャイネスのコンサート。 僕は3階席から眺めていた。 唄う細野さんを生で観るのは、はじめてのこと。 30数年前に発表した初ソロアルバム「HOSONO HOUSE」の楽曲を中心に、新旧織りまぜた所縁あるメンバーとのセッ…

先週の奥さんの取材の際にいただいたチケットは、またしてもウルトラマン! 岡本太郎美術館、世田谷文学館と並び、3つ目のウルトラマン展の会場は、池袋サンシャインシティ。 奥さんは家で仕事。小雨そぼ降る朝の都内を車で通り抜け、一時間ほどで池袋に到…

緑の木々香る生田緑地の坂道をしばらく歩くと、目の前に現れる岡本太郎美術館。 ここに足を運ぶのは何度目だろう。年に一度は来てると思う。 その作品をというよりも、むしろ岡本太郎の磁場を体感しに行くという、神社にお参りするような気分に近い。 僕がこ…

帆風の誕生日プレゼントや、奥さんの仕事道具や、MUJIの収納箱を買いに、夕方車で吉祥寺まで。 東急のおもちゃ売り場でこどもたちを遊ばせながら、奥さんと交代で目的の店へ向かうのが、いつものパターン。奥さんは画材と布を求めに、僕はCDや本や洋服…

(6/26 前編のつづき http://d.hatena.ne.jp/junichimoriwaki/20060626) 駅前のホテルまで、ついに友部さんを迎えに行った。 あいさつをして握手をして、ギターケースを車に積みこんだ。 友部さんやイベンターのおじさんにとっては日常の世界、僕にとっては…

大学に入学してからも、頭の中は音楽のことでいっぱいだった。 作詞作曲部(OPUS)というサークルで、バンドを組んで歌を作りはじめた僕が、一番と言っていいほど影響を受けた人、それは友部正人さん。 「待ちあわせ」と題した友部さんの共演ライブ。渋谷ジ…

松江の実家の母さんの古いアルバムの中にあった、小さな一枚の写真。 色褪せたその写真の裏に、鉛筆で書かれた、「母と子」の文字。右の女の子が僕の母さん、優しい笑顔で見つめているのがこの子のお母さん、つまり僕のおばあちゃんだ。でも僕は、このおばあ…

おととい、大阪から車で松江へやって来た。今日はこどもの日。 奥さんが妹の本屋さんでワークショップを開いている頃、帆風と夕月と姪の璃子ちゃんを連れて、松江城裏にある椿谷から松江温泉まで歩いてみることにした。右手に図書館を見ながらしばらく行くと…

ムーンライダーズの鈴木慶一さんのソロツアーに同行、オープニングアクトを務めさせてもらったのは、もう5、6年も前のこと。アンコールのステージで、「SWEET BITTER CANDY」や「塀の上で」をいっしょに歌わせてもらったのは、宝物のような経験だ。この日…

めざましどようびで歌う僕の姿を、偶然テレビで見ていた友人からのメールで、中学高校の同級生ふたりと16年ぶりの再会。 懐かしい昔話をはじめれば、あっという間に時間が埋まる。 今ではだれからも呼ばれることのないニックネームで呼び合う中年3人は、…