junichimoriwaki2006-05-13

松江の実家の母さんの古いアルバムの中にあった、小さな一枚の写真。
色褪せたその写真の裏に、鉛筆で書かれた、「母と子」の文字。

右の女の子が僕の母さん、優しい笑顔で見つめているのがこの子のお母さん、つまり僕のおばあちゃんだ。

でも僕は、このおばあちゃんに一度も会ったことがない。

この写真が撮られた数年後のある日、おばあちゃんは突然亡くなった。4人のこどもとおじいちゃんを残して。おじいちゃんは旅館を営みながら、4人のこどもを育てた。

図書館で借りてきた古い「暮しの手帖」に、松江の記事が載っているのを、奥さんが見つけて教えてくれた。

おじいちゃんの旅館や父さんの実家の茶碗屋が立ち並ぶ、当時の商店街を俯瞰でとらえた写真が、見開きで掲載されている。母さんたちにとって、さぞや懐かしい風景に違いない。

松江から持ち帰った母さんの古い写真数枚と、暮しの手帖の写真を、スキャナーでパソコンに取り込み、配置する。

これをプリントアウトして、母さんに届けよう。