現代の女子高生が、学園祭のステージでブルーハーツの歌を演奏する。
言ってしまえば、それだけの映画。
けれどそこには、紛れも無く無垢で純粋な、十代の風景が染み込んでる。
かつて男子高生だった僕は、学園祭のステージに立つべく、ともだちとバンドを組んだ。
当時はバンドブームの真っ只中、学校内だけでも10組くらいバンドがあった。
はじめはビートルズブルーハーツの歌を半々くらいやってたけど、いつしかブルーハーツの歌ばかりになった。
バンド名も、ヘルタースケルターからレッドペッパーズに変わった。
マイクを握って「終わらない歌」を歌うとき、そこには理屈や理由を超えた世界が見えた。
汗をかきながら声を枯らして歌うことの爽快感は、ヒットを放つバットの感触や、ゴールをきめるキックのそれに通じるものなのかもしれない。
打ち込むことの尊さ、美しさ。
DVDを観終えた夕月が、おもむろにペンで紙に絵を描きはじめた。
素敵じゃないか。

リンダ リンダ リンダ http://www.bitters.co.jp/linda/