朝ひとり起きた時や、夜寝る前のちょっとした時間に、ソファの下に置いてあるカラーペーパーを取り出して、チョキチョキ切ったり貼ったりして何かこしらえるのが、夕月の日課になっている。
今夜は眠い目をこすりながら、箱のようなものを2つ上下につないだものを作った。下の箱には手紙も入ってる。聞いてなるほど、気球なんだそうだ。
家の窓からたまに見かける飛行船みたいに、ベランダから飛ばせると思ったらしく、「飛ばないよ」と言って聞かせても、眠気も手伝い、ぐずって聞かない。
とうとう泣きだして、そのまま眠ってしまった。
手紙にはこう書いてある。
「だれだれさんへ こんにちわ わたしのなまえわ ゆづきです」