いかちゃん家でのクリスマスパーティーの帰り道、大通りから一本奥へ入るいつもの抜け道、うっすら街灯が照らす薄暗いコンクリートの上で、キラリと光る眼。
鼻から頭にかけて白い線の模様がある、一目で犬や猫でないことは分かった。
キラリと光るその眼の持ち主は、僕の運転する車に気付くと、ササッと身をかわし、アパートの脇のブロック塀の上へひとっ飛び。
そうか、これが白鼻心か。
するとそこには、ひとまわり小さいもう一匹の姿。おそらく親子なのだろう。
おかあさんは獲物を抱え、こどもを連れて奥のほうへと消えて行った。
夕月はその後、車の窓からサンタさんを目撃したらしい。
そりに乗ったサンタのおじいさんが、サーッと夜空を横切った。
今夜は大忙しなんだろうね。