通学路の旗ふり当番がまわってきた。
7時50分、牛乳屋前の交差点、黄色い旗を持ち立つ。
横断歩道の向かいで同じく旗を振るのは、たいちゃんのおかあさん。
空は晴れてるが、まだ肌寒い。
手袋してくればよかった。
通りのあちこちから姿を現わす、ランドセル背負った小学生たち。
交差点までいっしょに来ていた娘は、クラスの友達を見つけ、横断歩道を渡って行った。
「おはようございます」「いってらっしゃい」
見知らぬこどもたちと交わす、朝の挨拶。
車の運転手さんはアクセル踏む足を止め、カルガモの行進を見送るように、しばし停車する。
知らない朝の顔を知る。

●ホ語録
「そらのうえ いこーか」
「どうろ ばいばーい」