大阪と京都は、近いのだ。
道路が空いてれば、堺から車でほんの一時間少し。
京都南のひとつ手前、大山崎インターを下りてすぐ、市営駐車場に車を止めて急な坂道を五百メートル、トンネルをくぐると現れる洋館、大山崎山荘美術館
オーナーゆかりのバーナード・リーチ浜田庄司河井寛次郎の器が展示される本館につながる新館は、安藤忠雄の手による。
本館のテラスからは、京都の山や街が一望できる。
手を後ろに組み芝生を踏みしめ、オーナーさながら、遠い目で空を仰ぐ。
現実の家族の呼ぶ声で、オーナーは一瞬で小市民に姿を変える。
再び高速に乗り京都南で下り、堀川通りをひたすら北上、閉館間際の上賀茂神社にたどり着く。
手を浸す、社殿の裏手に注ぐ小川の水は、きりりと冷たい。
小川に薪がくべられ、炎があがる。ちょうど奉納の舞楽がはじまるところだ。
西日が照らす龍の面、舞を取り囲む人の顔。
吐く息の白、燃えさかる炎の赤。
日本の色を見る。

大山崎山荘美術館)

上賀茂神社)
●BGM

THE BOOM / THE BOOM、芝浜 / 柳家小三治
●本

よくわからないねじ / 宮沢章夫