炎天下、森ノ宮の駅を出ると、そこには大阪城があった。
けれど今日の目的地は大阪城ではなく、一駅向こうの円形ホール。
国際児童青少年演劇フェスティバル大阪、通称たこたんフェスタの一環として、友部正人さんの呼びかけによる詩の朗読会「こどものための no media」が開かれるのだ。
友部さんに加えて知久寿焼さん、谷川俊太郎さんも参加するというこの朗読会、娘とふたり少し早めに会場に着き、クーラーのきいた涼しい会場のロビーのソファに腰をおろすと、そこに偶然、友部さんが現れた。
娘を連れてあいさつをして、またソファに座ってたら、今度は谷川さんが現れた。
娘は、手書きの詩を谷川さんに手渡した。
3人の投げる言葉のボールは、弾んで弾んで、回って回る。
ぼくらの手の上にのったかと思えば、ぴょんと頭を飛び越えて、空の向こうへ消えちゃった。
紙に書かれた言葉は、話し歌うことで、紙からにょきりと起き上がり、てくてく歩きはじめる。
しーんと静かな舞台の上は、いつしか賑やかな言葉のサーカスだ。


(たこたんフェスタ http://www.takotan-festa.jp/show/domestic.htm

●本

長新太 こどものくにのあなきすと