朝の教室、石津ちひろさんの言葉さばきの妙に唸る。
ちひろさんに届いた、谷川俊太郎さんからの手紙には、こんな手書きの折り句が記されていたそうだ。
 「い」つも
 「し」じんでいられないのが
 「づ」つうのたね
 「ち」まちまと
 「ひ」びをおくって
 「ろ」うじんになっていく
学校帰りの娘も挑戦。
 「ほ」ってほって ほりまくる
 「り」んごの木を ほりまくる
 「か」んがえながら ほりまくる
 「わ」にはまると かんがえながら ほりまくる
 「な」めくじが よこむいてあるいてたら わにはまる
 「み」んなでほって なめくじもほる
さらに娘の筆が乗る。
 「も」もの木のたね
 「り」んごの木のたね
 「わ」ー!たねだらけ
 「き」ゅうに
 「じ」ゆうにばらまいてあった
 「ゆ」づきがばらまいた
 「ん」ーとパパはかんがえた
 「い」ちばんよかったのは、またほりかえす
 「ち」いさいけれど、よーく見てほる
●本

ぞうからかうぞ / 石津ちひろ(文)藤枝リュウジ(絵)