海と山の出会うところ。
本州からにょきりと首を伸ばした伊豆半島、細長い半島の中央には山々が連なり、そのほとんどをぐるりと太平洋が取り囲む。
海から山へ、山から海へ、くねくね道をひた走る。
空は晴れてるのに、大瀬崎から海越しに眺める富士山の顔を、雲が意地悪く隠してる。
海からの波風にさらされた大瀬神社のビャクシンは、ぐにゃりぐにゃり今にも動き出しそう。
熱海の旅館街を通り抜け、来宮(きのみや)神社の階段を登れば、屋久島の縄文杉に勝るとも劣らない大楠が現れる。
温泉目当ての観光客や、海目当てのダイバーたちが大挙をなしてるその脇で、ひっそり脈々とその年輪を重ねる大木。
その眼は、巨象のようにやさしく、たくましい。
 大瀬神社のビャクシン(大瀬崎)
 来宮神社の大楠(熱海)